がんの「代替治療と標準治療」の基礎知識

〜ネットや口コミの情報に惑わされない!〜

お客様からこのようなご相談のお電話をいただきました。

現代は情報過多といわれるように、パソコンやスマートフォンで簡単にさまざまな治療法に関する情報が手に入るようになりました。
しかし、逆にその情報の正確性を判断することは、一般の人にはとても難しいものがあります。
今回のお客さまのように、自分の病気について何か良い治療法がないか、調べるのは自然の行動かもしれません。

実際、がんの治療法について調べてみると、3大療法といわれる「手術」「薬物療法」「放射線治療」の他にもさまざまな療法が検索結果で出てきます。

このような、がんの治療として行われる医療(3大療法)を補う治療法や、それらに代わって行う治療法を代替医療もしくは民間療法と言います。

一方、「標準治療」とはどのような治療のことを言うのでしょうか?「標準」という語感から、並みの治療のように誤解されがちですが、そうではありません。

<解説> 標準治療とは?

標準治療とは、科学的根拠に基づいた観点で、現在利用できる最良の治療であることが示され、ある状態の一般的な患者さんに行われることが推奨される治療のことをいいます。

また、医学において「最先端の治療」が最も優れているとは限らない、ということも理解しておく必要があります。

≪標準治療となるまでの課程≫

最先端の治療は、開発中の試験的な治療として、その効果や副作用などを調べる臨床試験で評価され、それまでの標準治療より優れていることが証明・推奨されれば、その治療が新たな「標準治療」となります。

標準治療は日進月歩で進化するものです。

※一般的に広く行われている治療、という意味で「標準治療」という言葉が使われることもあるので、どちらの意味で使われているかは注意する必要があります。