法人保険で事業継承に備えよう!おすすめ保険6選と3つの注意点を紹介
事業継承は、経営者にとっての大きな課題の一つです。
現経営者から後継者へ自社株が移り変わる際の納税や、現経営者への退職金の支払い、会社での自社株の買取など、多様な場面で資金が必要になります。
このような場面には、法人保険で準備を進めることができます。
法人保険には、自社や後継者が迷うことなく円滑な事業継承を進めるための役割を担ってくれる、優れた商品が多数あります。
とはいえ、どのような保険を選べば良いのか、判断に迷うところではないでしょうか。
今回は、法人保険を活用し、事業継承に備えるための保険やポイント、方法などをご紹介しています。
ぜひ、参考にして頂ければと思います。
目次
事業継承のポイントを押さえよう
事業継承とは、事業や財産そのものだけでなく、会社の理念や思想を次の世代へ引き継ぐことでもあります。
事業継承にあたっては、
- 経営者の情報(知的財産)
- 設備や不動産、株式などの事業用資産
- 運転資金や借入金
- 技術、技能、ノウハウ、経営理念や取引先との信用
などが挙げられ、なかでも経営者の情報(知的財産)は、業績や事業運営など、経営者の資質で大きく変動することから、継承する際の重要項目といえます。
また、以前は後継者といえば親族内からが多数を占めていましたが、近年深刻な問題となっている後継者不足の影響もあり、社外や親族外からの継承も増加しています。
こうした背景により、長年積み上げてきた技術や経営ノウハウが崩れたり、途切れたりすることないよう、自社の持つ強みや価値を分析しつつ、事業継承が円滑に進むための対策を講じておくことが大切です。
これらに備え、事業継承を行うためのポイントとしては、
- 現経営者への退職金を準備する
- 自社株を移転する
- 自社株移転に伴う納税を準備する
- 自社株の買い取り
の4つがあります。
法人保険は、こうした課題に対応できる、セーフティーネットとしての役割を担うことができます。
事業継承におすすめの法人保険6選
法人保険には、事業継承を円滑に進めるために役立つものがいくつかあります。
ここでは、事業継承に活用できる法人保険を6つご紹介します。
個人契約の生命保険
後継者個人に資金を残すために活用できるのが、個人契約の生命保険です。
経営者にもしものことがあった場合に備え、経営者が個人で生命保険に加入し、受取人を後継者にしておくことで、後継者に一定の資金を準備することができます。
後継者には多くの遺産が相続されることが多いため、他の法定相続人からの訴えが起きることがありますが、生命保険で受け取った財産は民法上、相続遺産とはならないため、法定相続分や遺留分にはなりません。
ですので、事業継承を滞りなく進めるためにも、生命保険で財産の相続先を決めておきましょう。
他にも、以下の場合に活用できます。
- 後継者が相続した株式について、他の相続人が遺留分を主張した場合でも、支払われた保険金を利用し、代償金を支払うこともできる
- 相続した株式にかかる相続税に対する納税資金として活用できる
また、生命保険は相続税法上、みなし相続財産として、相続税の課税対象にはなりますが「法定相続人数×500万円」の生命保険金控除枠があるため、節税にもなります。
ただし、活用できるのは後継者が二親等の場合のみですので、注意が必要です。
法人契約の終身保険
後継者が現経営者から株価の支払いをして株式を買い取るのではなく、株式そのものを相続することで事業を継承する場合、後継者は、相続税を納税しなければなりません。
相続税は概ね高額になることが多く、株式を相続したものの、納税資金が不足してしまう恐れがあります。
そのような場合は一般的に、会社が後継者から自社の株式を買取り、後継者はその買取り金を相続税の納税に充てることが多く、会社は自己株式を買い取るための資金が必要になります。
そうした事態に備えられるのが、法人契約の終身保険です。
会社が法人契約で終身保険に加入しておけば、経営者にもしものことがあった場合に、死亡保険金を受け取ることができ、その資金を自己株式の取得資金に充てられるのです。
ただし法人契約の終身保険には、解約返戻金があるうえ貯蓄性もある反面、保険料も割高になります。
また、損金として計上できないため、利益の圧縮には繋がらないことから、契約には注意が必要です。
法人契約の逓増定期保険
逓増定期保険は、死亡保険金が加入時から段階的に増えていく定期保険です。
株式の生前贈与もしくは譲渡を行う場合、自社株式の評価額引き下げに活用することができます。
会社の利益が圧縮されていれば、贈与や譲渡にかかる費用や相続税を抑えることもできます。
逓増定期保険は、
- 保険料の一部を損金計上できる
- 5年~10年前後で総支払保険料と同額程度の解約返戻金になる
- 死亡保険金が大きい
- 保険料が高額になりやすいため、経営状況が良く、資本力のある企業には適している
といった特徴があります。
特に5年~10年前後で解約返戻金が最も高額になることから、事業継承はそのタイミングで行うことが重要です。
ただし、2019年より解約返戻率が高いものは大幅に制限され、50%以下のものでなければ全額損金計上することができなくなっているため、注意が必要です。
法人契約の長期平準定期保険
法人保険の長期平準定期保険も、逓増定期保険と同じく、株式の生前贈与もしくは譲渡を行う場合、自社株式の評価額引き下げに活用することができます。
また、会社の利益が圧縮されていれば、贈与や譲渡にかかる費用や相続税を抑えることもできます。
長期平準定期保険は、
- 保険料の一部を損金計上できる
- 保険期間中の保険料は変わらない
- 逓増定期保険に比べて保険料は安く、会社の資金計画を立てやすい
- 保険期間が長い
といった特徴があります。
ちなみに保険料のピークは20年~30年で、保険期間中は保険料を損金に計上することができます。
ただし、こちらも2019年より解約返戻金が高いものは大幅に制限され、50%以下のものでなければ全額損金計上することができなくなっているため、注意が必要です。
法人契約の変額保険
変額保険は、株式を中心に資産運用し、運用の実績によって保険金や解約返戻金が増減する保険をいいます。
変額保険は、
- 保険料の一部を損金計上できる
- 死亡保障と資産形成を同時に行える
- 死亡保険金は契約時に最低保証がなされている
- 保険期間中の保険料は変わらない
といった特徴があります。
変額保険は資産形成の目的で契約することが多く、相続税の支払いや自社株対策の財源確保に適しています。
他にも、死亡退職金や弔慰金の財源確保の目的としても活用することができます。
一般的な保険よりリターンが高くなる傾向がありますが、解約時には元本割れすることもありますので、注意が必要です。
法人契約の外貨建て保険
外貨建て保険とは、外貨で運用される保険商品をいい、基本的に払い込みは米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨、保険金や解約返戻金などを外貨で受け取ることができます。
外貨建て保険は、
- 円建て保険よりも利回りが高く、予定利率を高く設定できる
- 円と外貨を分けることで、会社の資産を通過分散できる
- 将来の円安リスクに備えることができる
といった特徴があります。
外貨建て保険にも、終身保険や養老保険などがあり、資産形成の目的で契約することが多く、相続税の支払いや自社株対策の財源確保に適しています。
一般的な保険よりリターンが高くなる傾向はありますが、外貨建ての性質上、為替レートの変動に伴う「為替リスク」はつきものです。
このため、保険金や解約返戻金を受け取る際、損失が発生する可能性や為替手数料もかかりますので、保険の特性をしっかりと理解したうえでご検討されることをおすすめします。
法人保険で事業継承に備える3つの注意点
事業継承に法人保険を活用するためには、多額の資金が必要になります。そのため、場合によっては自社のキャッシュフローを圧迫するの等の影響が出ることがあり、注意が必要です。
法人保険で事業継承に備えるための注意点を3つご紹介します。
損益が出ないようキャッシュフローの計画は綿密に行う
事業継承の目的で法人保険を活用する際には、キャッシュフローの計画を綿密に行い、無理のない範囲で契約しましょう。
事業継承に法人保険を利用したものの、保険料がキャッシュを圧迫して解約するような事態は避けたいものです。
また、もしも保険契約を中途解約して、解約返戻金が低くなってしまった場合は、多額の損益を出してしまうことにもなりかねません。
このため、自社の財務状況を考えながら計画をしっかり立てて、保険料が会社経営の負担にならないような契約の仕方をしましょう。
納税金が不足しないよう想定できる納税額は全て把握する
保険料の一部、もしくは全部が損金計上できる反面、受け取った保険金や解約返戻金は利益金として計上されます。
退職金支払いや弔慰金の支払いは利益を相殺できますが、タイミングがずれると想定外の納税が発生する場合があります。
事業継承に備える目的で準備した資金が、納税分に取られてしまって足りなくなり、本来の目的に使用できない事態になってしまっては本末転倒です。
こうした、もしもタイミングが合わず、納税が必要になった場合に備え、納税の可能性が想定できる保険については、納税金が不足しないよう、全て把握しておくことが重要です。
自社に最適な事業継承のために保険のプロに相談する
法人保険を活用し、事業継承に備えることはできますが、法人保険だけが万全な方法というわけではありません。
事業継承に法人保険を活用することは、一つの手段としては有効です。
しかし、それ以外の部分でも、相続争いなどの難しい問題が起こる可能性はあります。
また、事業継承の方法は千差万別であり、自社にとって最適な事業継承とは何か、を考える必要があることはいうまでもありません。
このため、専門的な知識のあるプロに相談しつつ、法人保険をあらゆる角度から比較・検討し、どのような選択をすべきかを考えつつ、事業継承に備えることをおすすめします。
まとめ
ここまで、法人保険を活用し、事業継承に備えるための保険やポイント、方法などをご紹介してきました。
事業継承にあたっては、クリアしなければならないしなければならない様々な課題があります。
法人保険は、こうした様々な課題に対応することのできるセーフティーネットとしての役割を担い、円滑な事業継承の一助となることができます。
今回ご紹介した方法を参考にして、事業継承に活用できる法人保険を検討のうえ、ご加入されることをおすすめします。
とはいえ、事業継承にはどのように備えたら良いのか、保険商品をどう選択するべきか、判断するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
そのような悩みをお持ちの場合は、保険のプロに相談してみましょう。
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